「価値」は歴史と文化のなかに宿る


 今、地域がかかえる課題はさまざまです。私たちは、地域の活性化を進めるには、まず地域に根ざした歴史や文化をひもとくことが大切だと考えます。歴史とは長い年月と経験であり、文化とは人の営みや喜びです。そのなかに宿る本質的な「価値」を見出したうえで、実情に応じた魅力あるまちづくりの視点を持つことが必要だと考えています。そして同時に、将来につながる地域社会の活性化の基礎となる「元気」を産み出す取り組みが求められます。

 

 私たちのNPO法人『元気創生プロジェクトあしたり岡山』の名称には、5つのキーワードが織り込まれています。「元気」「創生」「プロジェクト」とは、「地域社会活性化の基礎となる元気を生み出す長期的な取り組み」ということです。そして岡山という「郷土=ふるさと」の「あしたり」すなわち「未来」を、「明るく元気に描くための取り組みを実行していく」という想いが込められています。

 

 この地域の未来を明るく元気に描く取り組みとは、必ずしも新しいことをやるという意味ではありません。従来からあるものに新たな切り口を発見したり、今までの良さを互いに組み合わせて新しい価値を創り出す、すなわち「ありもの活かし」の視点も大切だと考えます。 

 

 幸い私たちNPOのお膝元である城内(しろうち)エリアには、観光資源である岡山後楽園や岡山城を中心とする歴史遺産、オリエント美術館や 県立美術館を中心とするカルチャーゾーンが広がっています。この歴史と文化の重なり合う「城内エリア」に、新しい価値を見出し、地域活性化の基礎となる元気を創り上げていこう、人の営みや観光客の喜びのあふれるエリアにしていこうと、私たちは考えています。

 

 私たちNPO法人『元気創生プロジェクトあしたり岡山』は、歴史と文化のなかに宿る価値をひもとき、新たな価値として提供することで、岡山の未来すなわち「あしたり」を元気にしていきたいと思う次第です。みなさま方におかれましては、その趣旨をご理解いただくとともに、ご支援とご鞭撻をお願いしたいと存じます。さらには、この事業へのご参画も、心よりお待ち申し上げます。

 

特定非営利活動法人元気創生プロジェクトあしたり岡山

理事長  前 坂 匡 紀